絞りと絞り値
絞り
写真の明るさは撮像素子に届く光の量によって変化します。
その光の量を調節しているのは絞りです。絞りは絞り羽根が動き、開き具合が変わって光が通過する円を大きくしたり小さくしたりします。
円が大きくなれば光の通過量は多くなり、小さくなれば光の通過量は少なくなります。
絞りの形が角ばっていると、ボケが汚くなる傾向があるため、なるべく絞りの枚数を増やして円形に近い開口部になるようにした設計のレンズが多いです。しかし、デジタル一眼レフカメラに用いる自動絞りレンズは、絞り羽根を小さな力で一瞬にして開閉できなければならないため、羽根の枚数をむやみに増やせず、通常は最多でも9枚程度の枚数に限られます。
また、限られた枚数でより円形に近づけるために絞り羽根の形状を加工したもの(円形絞り)や、複数の口径の真円があらかじめ打ち抜かれている絞り板を次々に入れ替えるものもあります。
絞り値(F値)
絞り値とは絞りでどれだけの光の量を調節したかを表す値です。
絞り値はF1.4、F2、F3.5、F4、F5.6、F8、F11、F16、F22、F32のように表されます。
F+数値で表されるので、F値などと呼ばれることもあります。絞り値を変えると、絞りの開き具合が変わり、レンズを通る光の量が変わります。絞り値を大きくすると、絞りが絞られてレンズを通る光が少なくなり、絞り値を小さくすると、絞りが開かれてレンズを通る光が多くなります。
絞り値を変えると、ピントが合って見える範囲も変わります。
絞り値を大きくする(絞りが閉じていく)ほどピントの合っている部分の前後もピントが合っているように見えてきます。
逆に、絞り値を小さくする(絞りが開いていく)ほどピントの合って見える範囲は狭くなります。
風景のように背景をクッキリ撮りたいときは絞り値を大きくして絞りを閉じる必要があり、背景をぼかして被写体だけクッキリ浮かび上がらせたいときは絞り値を小さくして絞りを開く必要があります。
ピントを合わせた位置に対して、その前後のピントが合っているように見える範囲を
「被写界深度」といいます。ピントが合っている範囲が広いことを被写界深度が深いといい、狭いことを被写界深度が浅いといいます。
F4.5で撮影
F27で撮影