パープルフリンジ
パープルフリンジとは、輝度差(明るさの度合いの差)の高い被写体を撮影したときなどに、高輝度部分の周りに
ウィキペディアには、撮像素子のフォトダイオードという光を受け取るセンサーの一部に強い光が当たり、たくさんの光子が流れ込んで、セル(画素)が飽和してしまい、光子が溢れて、近接するセルに流入するために発生すると書かれています。
ちょっと変わってしまいますが、簡単な言葉で説明すると、強い光が当たった部分でできた電気信号が大きすぎて、近くの画素にまで信号が流れ込み、本来よりも明るくなってしまうというイメージです。また、どうして紫になるかというと、撮像素子は緑色に対する感度が高いため、ホワイトバランスの自動補正で青と赤の色が持ち上げられるからだとされています。
この現象は撮像素子の構造が原因であるため、フィルムカメラでは起こりません。しかし、レンズの色収差によっても同様の紫色の偽色が発生するので 、全く無縁とは言えないようです。撮影光学系に軸上色収差がある場合、ピントが合った緑に対し、ピンぼけしている赤と青が縁からはみ出して紫色のフリンジとなります。このとき、上位レンズなどの色収差を良く抑えたレンズの場合は青色だけ残存し、ブルーフリンジとなることがあります。
実際、自分も撮像素子起因のパープルフリンジは体験したことがありません。レンズの収差起因によるフリンジは撮影したほぼ全ての写真で確認できます。このときのフリンジは収差が原因のため、写真の端のほうに現れます。
このように、パープルフリンジの発生は、撮像素子起因の偽色とレンズ収差起因の偽色とが重なったものと考えられています。
パープルフリンジ発生例(主にレンズ収差が原因のもの)
対策法
絞り込んで撮影する
軸上色収差などのレンズ収差が原因の場合は、絞りを絞ることで軽減されます。絞りを調節して撮影するのがパープルフリンジ対策の最も有効的な手段です。ただし撮像素子起因のものを改善することはできませんし、状況や機材の相性によってはあまり効果が期待できない場合もあります。
紫外線カットフィルターを装着する
紫外線領域の軸上色収差が原因の場合は、紫外線カットフィルターで軽減することが多いです。
左がUVカットフィルターなし、右がUVカットフィルターあり。
レタッチソフトで補正する
構図などが原因で、どうしても発生してしまう場合はフォトショップ等の写真加工ソフトでパープルフリンジ補正が出来ます。ソフト名とパープルフリンジ除去方法 などで検索すると除去方法が載っています。