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明るいレンズ/暗いレンズ


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広角レンズや望遠レンズ、マクロレンズなどといった種類のレンズは用途に合わせて使い分けるということはお分かりだと思います。

ここでは、『明るいレンズ』と『暗いレンズ』について書いていきたいと思います。


まず、『明るいレンズ』とか『暗いレンズ』とかいいますが、これは何なのでしょうか。
カメラレンズは、複数のレンズを使って収差と呼ばれる湾曲や色ズレを解消しています。(収差の説明は『撮影の基礎知識-中級篇-の収差』を参照してください)

しかし、このように複数のレンズを使うことによるデメリットもあるのです。

レンズに光を照射したときには、その一部が必ず反射してしまいます。すべての光を透過するようなレンズはないのです。ということは、収差を少なくするために、レンズを多く使えば使うほど、焦点に集まる光が少なくなってしまいます。光の量が少なくなれば、作り出される映像は暗くなってしまいます。

一眼レフカメラに使われているレンズは窓ガラスに使われているような単なるガラスではなく、色々な添加物を加え、より透明で歪みの少ない材料を使っています。当然材料も性能の高い高価なものもあれば、透過率の劣る安価な材料もあります。また、カメラのレンズは、複数のレンズを組み合わせて作られているので、使うレンズの枚数によっても光の透過率に大きく影響を与えます。

このとき、ロスが小さく明るい映像が得られるカメラレンズを「明るいレンズ」、逆にロスが大きく映像が暗くなりがちなカメラレンズを「暗いレンズ」と呼んでいるのです。


一般的にレンズ構成が複雑になりがちなズームレンズでは暗いレンズになりやすく、構成枚数が少ない単焦点レンズでは明るいレンズになりやすいと言われています。また、ズームレンズでも技術を駆使して明るく仕上げられたものもあります。

ですが、こうした繊細で精密なものはどうしても価格が高くなってしまいます。単焦点レンズなら、比較的安価な製品でもF値の小さいレンズがそろっています。ズームが出来ないのが少々不便ですが、手ごろな値段で品質の良いレンズが手に入るので魅力的です。

明るいレンズのメリット・デメリット

明るいレンズの最大のメリットはシャッター速度を速くできるところです。

速い物を止まっているように見せるには高速シャッタースピードが必要です。最大開放F値(一番絞りを開いたときのF値)が2で1/125なら像が流れてしまうけど最大開放F値1.4なら1/250で像が止まることがあります。それにF値が小さいほど背景をぼかすことができるので、明るいレンズは人物などを撮ったときにより浮き上がらせる効果があるということです。

また、現在では「手ブレ補正機能」が登場して暗い場所での撮影もしやすくなりましたが、それでもシャッター速度が遅いまま「手ブレ」だけを補正できても“被写体そのものが動いてしまう”という危険は解消しませんからやはりシャッター速度を速くできる明るいレンズが必要ということになります。

デメリットは明るいレンズはどうしても構造上レンズが大きくなってしまうので、レンズ自体がとても大きく、重くなってしまいます。
構造が複雑になるため、価格も高くなってしまうのです。



見分けかた

明るいレンズか暗いレンズかを見分けるためには、『最大開放F値』の大きさを見ればよいのです。最大開放F値はそのレンズの限界の明るさということです。この数値が小さいものほど明るいレンズということになります。
一般的にF3を基準として、それ以下か以上かで明るいか暗いかを判断します。

製品カタログに記載されているF値は、絞りを開放させた状態『最大開放F値』です。
ズームレンズはカタログにF2.0-F5.6と言うようにF値が2つ書かれているタイプがありますが、これはズームするとF値が変化するためこのように記載されているわけです。


つかいわけ

全体的には明るいレンズの方が性能は良いです。だからと言って、暗いレンズはダメかというとそうでもありません。
暗いレンズのメリットは価格が安いことです。このメリットは初心者にとってはとてもありがたいことですよね。新しいのレンズがほしいけどそんなに高いのはねっていう人にはぴったりです。それに、暗いレンズは晴れた日に外で使えば問題ないのです。

無論、明るいレンズは絞りをしぼることで暗いレンズにもなるので性能は優れています。



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