レンズカタログを読む
どのメーカーのレンズカタログも、レンズ別に作例が載っていて直感的にどのような写真を撮れるのかがわかるようになっています。そんなこともあり、レンズカタログを見るときはつい、写真ばかりに目が行ってしまいますが実はあまりよろしくありません。レンズも感覚的に選ぶのではなく、スペックを読み取りしっかりと考えて買うのが賢い購入方法です。
ということで、ここではレンズカタログの読み方について解説していきたいと思います。
まずは焦点距離と開放F値をチェック
カタログに表記してある記号やアルファベットは、各レンズメーカーによって違います。似たような機能や性能でも言い回しが異なることがあるので注意が必要です。
ただ、基本的な部分は各メーカー共通で表記されているので、まずはレンズの基本表記について確認してみましょう。
まず、基本となるのは焦点距離と開放F値です。開放F値とは絞りをめいっぱい開いたときのF値のことで、最大開放F値とも呼ばれます。どんなレンズでもこれらは必ず表記されています。
特に焦点距離については、値の異なるレンズを用いて撮影すれば、写り方が全く違うものになります。焦点距離の数値は、小さければ小さいほど、遠くの人物がすべて収まるほどの広い範囲を写すことができ、この数値が大きければ大きいほど遠くにいる人物を近く、大きく写すことができます。この違いが、レンズを選ぶ上でまず最初に知っておきたいポイントです。
赤色が
キヤノン: EF
ニコン: AF-S DX NIKKOR
ソニー:
ペンタックス:DA
ほかにも、シグマやタムロンといったレンズメーカーのものもありますが、ここでは割愛させていただきます。
ズームレンズには焦点距離や開放F値に18-55mmやF3.5-5.6という表記がされていますが、これはズームしたときと、しないときとで値が変化するためです。
メーカーごとの独自表記を知る
レンズの基本的な性能を表す焦点距離と開放F値の表記方法はメーカーが違ってもそこまでの差異はありませんが、その他の機能については、全く異なった表記方法がなされています。
キヤノン | ニコン | ペンタックス | オリンパス | ソニー | |
---|---|---|---|---|---|
デジタル専用 | EF-S | DX | DA | ZD | DT |
特殊低分散ガラス | UD | ED | ED | ED | ED |
超音波モーター | USM | AF-S | SDM | SWD | SSM |
手ぶれ補正 | IS | VR、VRU | - | - | - |
高性能レンズ | Lレンズ | 名称なし | ★レンズ | SHG | Gレンズ |
オリンパス、ペンタックス、ソニーはボディ内手ぶれ補正が内蔵されているため、レンズにはありません。
超音波モーターとは「圧電素子」が組み込まれた円環状の金属リング(固定子)に、人の可聴域よりも高い周波数の超音波振動を発生させ、その振動エネルギーによって、固定子に密着している金属リング(回転子)を回転させるものです。金属リング(回転子)からの回転エネルギーを伝達してフォーカス用レンズを駆動させることで、ピント合わせを行っています。
スペックを読み取ってみよう
それぞれのメーカーのレンズをひとつずつ読み取ってみましょう。
キヤノン: EF17-40mm F4L USM
ニコン: AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR II
ペンタックス:DA★55mmF1.4 SDM
オリンパス: ZUIKO DIGITAL ED 14-35mm F2.0 SWD
ソニー: 70-300mm F4.5-5.6 G SSM
その他の細かい表記については、それぞれのメーカーのサイトで紹介がされていますので、そちらでご確認ください。