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手ぶれを防ぐ

まず、写真がぶれて写ってしまう原因は2つあります。ひとつは被写体が動いてしまうことによって起こる『被写体ぶれ』です。もうひとつはカメラ本体が動いてしまうことによって起こる『手ぶれ』です。この二種類の違いは、前者の『被写体ぶれ』は背景はぶれずに動いている人(物)だけがぶれますが、後者の『手ぶれ』は写真全体がぶれます。ここでは、被写体ぶれはひとまず置いておいて、手ぶれについて書いていきたいと思います。



手ぶれ補正機能で手ぶれは無くなるか

結論から言うと、
手ぶれ補正機能がついているからといって手ぶれがゼロになることはありません。手ぶれ補正機構のしくみについてはこちらを参照してください。手ぶれ補正は手の動きと反対方向にレンズや撮像素子を動かすことで映像にぶれが生じるのを防いでいますが、その動き幅は無限ではなく有限です。そのため動いた距離が大きいとどうしても補正しきれず、ぶれてしまいます。また、CMでもやっていますが、手ぶれ補正機能には手ぶれ補正軸というものがあり、その軸を中心とする特定の動きしか補正できません。


イメージ

従来のカメラには上図の@とAの補正軸しか持っていないものもありました。しかし最近では、5軸の動きを補正する手ぶれ補正が主流になりつつあります。5軸もあれば、人間の手の動きのほとんどをカバーできるためこの問題は解消するかもしれません。

しかし、もうひとつ、手ぶれ補正機能が万全でない部分があります。それは、手ぶれの速さです。子供の目線に合わせるために中腰になったりバリアングルで手だけ上にあげて撮影するとき、よく筋肉がプルプルなってしまうことがありますよね。そういう場合はどうしてもきつい姿勢をとっているのでぶれも大きく速くなりがちです。手ぶれの速度が速くなるとレンズや撮像素子を動かす動作が間に合わず、補正機構の意味がなくなってしまうことがあります。

手ぶれ補正機能の欠点ばかりを上げてしまいましたが、このようにあくまでも手ぶれ補正機能は手ぶれを『補正する』ものであり、手ぶれ除去機能ではありませんのでくれぐれもご注意ください。



手ぶれはシャッタースピードで変わってくる

さて、手ぶれ補正機能が万全でないとわかったところで、どうやって手ぶれを防いでいくかですが、あれこれする前にまずシャッタースピードを変えてみましょう。というのも、シャッタースピードを調節するということは光が撮像素子に当たる時間を調節することであり、光が当たる時間を短くすればぶれる確率も減るというわけですね。その証拠として、昼間屋外で撮った写真がぶれることはないのに、夜や屋内でとった写真にはぶれている写真が多いですよね。その原因はシャッタースピードが1/1000秒(屋外)と1/10秒(屋内)と、夜間や室内の方が100倍ほどの時間、光を当てなければいけないからです。

そこで、シャッター優先AEやプログラムAEにしてシャッタースピードを決定してから撮影してみましょう。このとき自在にシャッタースピードを調節して良いわけではなく、シャッター優先AEであれば絞りの値が点滅しない程度まで、プログラムAEでは調節できる範囲まででしか変えることはできません。



望遠では手ぶれが起きやすくなる

原因としては、望遠レンズはF値が大きいものが多く、適正露出にするためにシャッタースピードを長くする必要があることや、カメラの少しのぶれが映像には大きなぶれとして現れることがあげられます。まずはじめのシャッタースピードのことですが、望遠レンズ(ズームレンズも同様)では多くのレンズを使っているため、F値が小さく暗いレンズになりがちです。だからといってこれをどうにかすることはできませんから、そこはもう高価な明るいレンズを買うしかありません(笑)

次のカメラのぶれはどうにか対処できそうですね。
物理的にカメラ本体のぶれを防ぐには三脚を使うのが最も効果的です。もちろん、望遠の撮影でなくても三脚を使えば手ぶれを防ぐことはできますが、格段に機動性は低下してしまいます。望遠撮影のようなあまり動かないで良い場合において三脚は最強の手ぶれ防止方法ですが、屋内での撮影などではほかの方法をとったほうが良いでしょう。ということで次は屋内撮影で最も使うであろう方法を紹介します。



ISO感度を上げて撮影すればいい

では、屋内撮影で最も使う手ぶれ防止の方法を紹介します。それはISO感度を上げることです。ISO感度を上げると短いシャッタースピードでも適正な明るさを確保することができるようになります。ですから、手ぶれを抑えるためにシャッタースピードを短くした分、ISO感度を上げれば明るさの問題は解消します。しかし、ISO感度もただ上げてばかりいるとノイズが目立つようになります。ですから、ISO感度優先AE以外のときはISO感度をオートにしておくのではなく、ある程度の幅に制限して撮影しましょう。どのくらいのISO感度でどのくらいのノイズが出るかはカメラによって全く異なるのでカタログなどを見て確認しましょう。ISO感度の上限が高い機種はノイズが目立たない上限も高いと思われます。参考までにですが、ペンタックスK20DのISO感度の上限は6400(拡張時は12800)で、実際使える(ノイズが目立たない)のは800までです。。



もろもろのこと

いままで当然のことと思って言わずに書いてきましたが、撮影の姿勢は良いですか?撮影時はしっかりとわきを締め、ファインダーを目にしっかりと当てて撮影しましょう。目をカメラに当てることは意外と重要で、これもまたぶれを防ぐ効果があります。カメラとの接点が増えることでカメラが動くことが減るのです。詳しい構え方はこちらをご覧くださいね。

今までのことをまとめると、手ぶれを防ぐ方法は

しっかりと構える

プログラム優先AEにする

ISO感度を高くする

シャッタースピードを速くする

F値が点滅していないのを確認する

シャッターボタンを押す

ぶれていない写真が撮れる

というのが、一番手ぶれを抑えるのに有効な手だと思います。




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